院長のひとりごと・・・ 24(便秘)
問診をしていて、生理痛の次に多いのが便秘です。
今回は便秘についてお話します。![]()
【症状・説明】
便秘とは、排泄される便が硬くて少なく、しかも便の出るのが以上に
遅れている場合をいいます。
便秘には、一過性の単純性便秘から腸の障害(炎症、狭窄、癒着、腫瘍など)
によって腸管が狭くなり内容物が通りにくいために起きる器質性便秘と
腸管の機能の異常で起きる機能性便秘があります。
便秘の多くは機能性便秘ですが、
その原因には腸の蠕(ぜん)動運動(便を肛門のほうへ送り出す働き)の異常
(弛緩性便秘)、腸管のけいれん(けいれん性便秘)、便意 を促す直腸の
反射機能の低下(直腸性便秘)などがあります。
器質性便秘、がんや糖尿病などによる便秘の場合は、
原因となっている病気の治療を行なわなくてはいけません。
他には、下痢と便秘を繰り返す様な症状(過敏性大腸炎)があります。
ふつうの便秘では、初期には苦痛が少なく、
何日かたてば自然に排便がおこなわれるのですが、次第に慢性化してくると、
いろいろな自覚症状が現われてきます。
一般的症状としては、食欲不振、肌荒れ、にきび、胸やけ、げっぷ、腹部膨満感、
下痢部圧迫感、腹痛などがあらわれます。
また神経症状としては、頭痛、めまい、動悸、不眠、精神不安、疲れやすい、
精神集中力や作業能力の低下などがおこります。
ときには発熱することもあります。
また便秘になると痔や高血圧をはじめ、さまざまな病気を悪くする原因となるので、
適切な治療法で直すことがとても大切です。
【原因】
便秘はおもに次の6種類に分けられます。
一過性の単純性便秘:
旅行などで環境が変わったり、消化のよいものばかり食べたとき、
運動不足や精神的な影響などが原因でおこる症状。
症候群性便秘(病気が原因で起こる便秘):
激しい腹痛や嘔吐を伴う急性の場合、腸閉塞など胃腸の病気や
膵臓、胆道の急性疾患が原因でおこる症状。
慢性的便秘の場合は大腸がんや大腸ポリープ、肝臓、膵臓の炎症や
潰瘍などが原因でおきます。薬の副作用によっておこるケースもあります。
けいれん性便秘:
精神的ストレスなどにより、大腸のぜん動運動が強くなって
けいれんを起こすため、便秘になる症状。
弛緩性便秘:
結腸の緊張がゆるんで、ぜん動運動が弱いことが原因でおこる症状。
お年寄りや内臓下垂、低血圧、体力が弱い人などにおきます。
直腸性便秘:
便意を我慢する習慣などで、直腸・結腸反応が鈍くなり、
便意を感じなくなって起こる症状。
トイレに行く時間がなかったり、痔のある人、お年寄りなどにおきます。
過敏性大腸炎(過敏性腸炎):
通勤、仕事、出張などで、不安や精神的ストレスが加わると
自律神経を介してストレスが胃や腸に伝達され、腸管の運動異常が誘発されて、
腹痛や便通異常が発生します。仕事が休みの時は症状があまりでません。
また上記のような便秘の大半は、朝食を抜いたり、栄養の偏り、運動不足などの
生活習慣の乱れが原因でおこる症状です。
【対策】
他の病気のために起きたものでない一般の便秘に対しては、
食事療法や規則正しい生活、規則正しい排便の習慣をつけること、
また、 適度な運動やストレスをためないことを心がけましょう。
便秘に効く食材として有名な物の一つに食物繊維あります。
食物繊維は、便の量を多くして腸のぜん動運動を刺激します。
芋類や豆類なども腸内で発酵してガスを発生させ、
腸管を刺激するので、便通が良くなります。
腸内のビフィ ズス菌も抗菌作用によって感染症を予防すると共に、
腸のぜん動運動を活発にして便通を良くします。
果物に含まれる果糖と有機酸(クエン酸、リンゴ酸 など)は、
大腸を刺激して便意を起こさせます。
また、「おなかの調子を整える」働きで知られている『オリゴ糖』は、
腸内細菌の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす作用により、
便秘の改善効果が期待できます。
また水分補給も便秘の予防と解消には欠かせません。
特に冷えた牛乳は腸への刺激効果が高く、
毎朝起き抜けに飲むとより効果的です。
(長くなってしまったので、次回につづきます。)![]()
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