院長は今日も元気です！・・・ 13（子宮筋腫）
こんにちは。
今回は子宮筋腫について書くことにしました。
子宮筋腫は３０代の女性、４人に１人が持っている病気です。
また長くなりそうですが、最後まで読んでください。
【症状・説明】
子宮は妊娠や陣痛の時に伸縮する子宮筋層からなり、
筋肉の両面を膜が覆う三層構造になっています。
内側を覆う膜を子宮内膜、外側の膜を漿膜（しょうまく）といいます。
子宮筋腫とはこの子宮筋層にできる良性の腫瘍のことです。
子宮筋腫の発生には、卵巣の働きが関係しており、
子宮筋腫の芽ともいうべき筋腫核が、卵巣から分泌される
女性ホルモンの作用によって増殖し、筋腫になると考えられていますが、
腫瘍の大きさや数は様々で、性成熟期（子供を生める身体）の女性の
大半が子宮筋腫を持っている、と言ってもいいほどポピュラーな病気です。
子宮筋腫は、発生する場所によって大きく３つに分けられ、
それぞれ症状も異なります。
最も多い場所は筋層内筋腫、次に漿膜下筋腫、そして粘膜下筋腫です。
子宮頸部にできるケースもありますが、全体の９５％が上記の３箇所で起きます。
１．筋層内筋腫
子宮の筋肉の中で筋腫が大きくなるものをいいます。
筋腫が大きくなるにつれて、子宮の内側を覆う子宮内膜が
引き伸ばされるため、生理痛や生理時の出血が多くなり、
下腹部を触るとしこりを感じるようになってきます。
２．漿膜下筋腫
子宮の外側に向かって大きくなる筋腫です。
かなり大きくなっても症状が出にくいため、
外から触れて分かるほど大きくなっても、
太ったと勘違いしてしまうケースもあります。
３．粘膜下筋腫
子宮内膜に向かって大きくなっていきます。
発生率は少ないのですが、症状は最もはっきりと現れます。
筋腫が小さなうちから月経多過や不正出血の症状がみられます。
＊その他の症状
子宮筋腫の一般的な症状としては、
月経過多や不正出血、貧血、 動悸、息切れ、ひどい月経痛や
下腹部の痛み、頻尿や便秘などがあります。
しかし、筋腫が小さいうちは、自覚症状が見れらない場合が多く、
日常の生活に支障をきたすこともなく、中には生涯無症状の人もいます。
【原因】
よくみられる病気にもかかわらず、原因はわかっていません。
しかし、性成熟期の女性に多く見られることから、
卵巣ホルモンと関係があると考えられています。
特にエストロゲン（卵胞ホルモン）は、子宮を発育させますが、
筋腫自体も発育させているのではないか、ともいわれているのです。
また、女性の平均結婚年齢が高くなり、
初めての妊娠を迎える年齢も遅くなり、子供の数も減っている事から、
女性が妊娠していない期間が長くなっていることも、
原因の１つだと考えられています。
ほかにも、子宮筋腫を促す要因として、
子宮周辺の血流障害、環境ホルモンの影響、
動物性たんぱく質の摂取しすぎ、食生活の変化などがあげられています。
【対策】
子宮筋腫に、決め手となる予防法は今のところありませんが、
血液循環を常に正常に保つことが、
予防、筋腫の増大を遅らせることにつながるとされています。
身体、特に下半身を冷やさないように気をつけ、
長時間椅子などに座ることは避け、適度に体を動かしましょう。
タバコはやめ、睡眠を充分にとり、ストレスをためないようにする事も大切です。
また、子宮筋腫の症状である貧血や便秘を改善するために、
緑黄色野菜や 鉄分、ビタミンを積極的に摂り、
動物性たんぱくや欧米食の食べすぎは控えましょう。
子宮筋腫に良い食べ物としては、
キャベツ、ニンジン、椎茸、えのき茸、 ブナシメジ、ナメコ、大豆、ニンニク、
玉ねぎ、蓮根、ほうれん草、大根、 パセリ、カボチャ、青魚などがあり、
これらを取り入れた伝統的な自然和食を多く摂りましょう。
子宮筋腫は、３０代の４人に１人にはみられる病気で、
稀に悪性のがんに進行する場合もありますから、
年に一回は婦人科検診を受けるようにしてください。
ではまた・・・
また長くなってしまった・・・。
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